住空間プロデューサーブログ
2025/01/21
2025年4月施行 省エネ法・4号特例の見直しで家づくりはどう変わるのか②
こんにちは設計の渡邉です。
前回に引き続き、「省エネ法・4号特例の見直し・縮小」で家づくりがどう変わるのかを、私なりに記していきたいと思います。
前回のまとめとして、
- 小規模住宅であっても省エネ基準への適合が義務化
- 新築物件は一定以上の省エネ性能を備えてなければ建てることができなくなる
- 増築の場合は増築部分の適合が求められる
そして↓
ぴゅあホームの場合は今でも標準で全棟にこれらを満たす設計を行っており、「適合義務化」になることで、急に建物の性能が変わるという事はない
というところまででした。
ぴゅあホームでは、設計・申請・施工を社内一貫体制で行っています。
今回は確認申請にも関することです。
建築確認審査の一部を省略できる「4号建築物」の区分が廃止され、「新2号建築物」と「新3号建築物」へ
今回の法改正の大きなポイント建築確認申請時の「4号特例の見直し・縮小」についてです
【確認申請手続きが変わることでの影響】
一般的な2階建て戸建住宅ほどの規模の場合、建築基準法上の「4号建築物」(小規模建築物)と呼ばれ、これまでは確認申請時の審査が一部省略されていました。
提出する図面も配置図、平面図、立面図程度で済み、詳細な構造の審査などは行われていませんでした。
それが今回の改正ではこの1~4号の分類が見直され、これまで4号だった2階建て住宅などは「新2号」となります。新2号には審査の省略は無く、筋交いの計算書などの提出が必要になります。今回ここに省エネの審査も加わります。
引用元:国土交通省4号特例
また新築だけでなく、リフォームの場合の扱いも変わります。
これまで4号建築物は基準法上の「大規模の修繕」と呼ばれるような改修工事を行う場合でも確認申請は不要でした。それが新2号となる法改正後は大規模の修繕・模様替を行う場合には確認申請が必要になります。これまでもっと大規模な建物にのみ適用されていたルールが、一般的な規模の住宅にも当てはまってくることになります。
ただこの「大規模の修繕・模様替」は、どういった工事が該当するかは建築基準法上の定義があります。屋根葺き材のみの改修や、既存の屋根に新しく被せるカバー工法などはこれに当たらず、申請不要だったりします。工事を行うにあたり確認申請がいるのかどうか、案件ごとに丁寧に見ていく必要がありそうです。
※ここでは「新3号建築物」については対象になることが少ない為割愛します
ぴゅあホームでは省エネ性能だけでなく、構造についても耐震等級3を満たし、長期優良住宅を標準にしています
【ぴゅあホームの場合】
ぴゅあホームではこれまでも、省エネ性能だけでなく、構造についても耐震等級3を満たし、長期優良住宅の認定を取得することを標準にしています。
今回の改正には「壁量計算の見直し」という内容もありますが、大幅に耐震基準が変わるものではありません。
ぴゅあホームの物件については法改正の基準でこれまでも設計施工していますので、急に筋交いが増えたり、仕様が変わるというようなことはありません。
図面を作成する量なども住宅の場合は総量としては大きく変わらないのですが、今後は確認申請時点で壁量計算や省エネに関する仕様を図面にして揃えておかなくてはいけません。
これらを作成する時間に加えて、法改正によって「申請してから確認済証ができるまでの法律で定める期間」が現行の7日から35日(※新2号建築物の場合)と大幅に伸びることになりました。
なので、実際には35日フルにかかることはあまり無いにしても、審査項目が増えた分、それを審査するのにも時間がかかるということです。
また「省エネ適判」と言って、省エネに関する内容は更に個別に審査してもらう必要もあります。
これまでのように、「急いでいるから早く確認を下ろそう!」ということがなかなかできなくなります。
なので、急いでいる方は早めのご相談をお願いします。
又、こうした作業が増える分、建築費用がさらに高くなるという懸念もありますが、
ぴゅあホームではこれまで標準仕様の作業です。ですので、現時点で当社の価格が大きく変動するということはありません。
しかし次の点には注意が必要です。
確認申請の申請手数料が、まだ公表はされていませんがどの機関も1.5~2倍程度には値上げせざるを得ないのでは、ということ。
大規模リフォームについては、これまで無かった手続きがまるまる入ってくることになり、改修工事では今まで気にしなくてよかった申請書類作成期間や申請期間を新たに見ておく必要が出てきます。
さて、今回も長くなってまいりました。
次回【審査を簡易に進めるためには】につづきます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。