住空間プロデューサーブログ
2024/08/01
震災から学ぶ正しい構造 基礎地盤改良セミナーに参加して①
こんにちは、設計の渡邉です。
先日、宇佐美工業さん主催の「“構造家”が分かりやすく解説 震災から学ぶ正しい構造 基礎地盤改良セミナー」に参加してきました。
私の感想とともに2回に分けてレポートしたいと思います。
第1部「構造計算を正しく理解することでコストダウンが図れる 震災視察で見えた正しい構造、基礎地盤設計」
講師:佐藤実 氏(㈱M‘s構造設計 代表取締役社長、構造塾塾長)
・能登半島地震被災地の現地調査について、被害の傾向など
第1部は佐藤講師が実際に能登半島地震の現地で撮影された被災家屋の写真を使って、倒壊前と見比べてどのように倒れたのか、その状況から推測される構造的な弱点は何だったのかなどが分かりやすく解説されていました。
今回の地震では昔からの建物が多く被害に遭われていたのは報道などでも知っていましたが、建築年数が経っていたとしても、現行基準で耐震補強を施した建物の場合はほとんど被害を受けずに残っていたそうです。その中の一軒のエピソードが印象的でした。
そのお宅は数年前にリフォームをしていたそうで、しかし耐震工事はもともとの予定にはなかったそうです。それが工事の際に建築業者が「どうせなら絶対にしておいた方がいいから」と、お施主様も知らないところで耐震補強工事を追加で行っていたというのです。
住民の方は耐震工事をしたこと自体を地震後も全く認識しておらず、なぜ倒れなかったのか不思議に思っていたところ、佐藤講師が施工店に話を聞いて初めて分かったというからなかなかのものです。しかしそれによって大切な家と生命が守られたわけです。
・耐震等級3の重要性
セミナー全体を通して佐藤講師は
「“お客様の要望があるから耐震等級3で施工する、要望がないからしない”のではなく、安全面においては高い水準を提供するのが当たり前でなくてはならない」
という内容のことを繰り返し言われていました。
ぴゅあホームでも木造住宅は長期優良住宅・耐震等級3を標準として必ず基準を満たす設計にしています。その点に対して改めて背中を押していただけたように感じました。
・構造から考える建物のコストダウン
また第1部後半には、単に耐震等級3を満たすだけではなく、構造計算を理解して無理のない間取り・プランを作ることで、梁のサイズを下げるなど無駄を省きコストカットができる、という話がありました。柱・梁をいかに合理的に配置するかというのは普段から考えて計画している内容ではありますが、今後まだ改善していける余地があるのではと感じました。
次回は、第2部「顧客視点の土地選び~住宅のプロとして地盤の見識を高める~」をレポートします。